どうも、クウルス(@Qoo_Rus)です。
世界的に有名なカリスマプロゲーマー、ウメハラ(梅原大吾)
「獣道とは 強さを追い求め続けた獣たちの 譲れない意地と意地のぶつかり合いである」
ウメハラが2017年の10月頃から企画した、格ゲーマー同士のガチンコ勝負を見ようという企画『獣道(けものみち)』
『獣道』は格ゲーマーの間で大きな注目を集め、普段は違う格闘ゲームをやっているプレイヤーもこぞってこの試合配信を観戦しました。
この記事は、『獣道』が企画として素晴らしかったということを、どちらかといえば格ゲープレイヤーではない人に伝えたくて書きました。
そして、私自身が『獣道』から学んだこと・そこから実践したいことをまとめていきたいと思います。
今回は前編、第一回の獣道についてのコラムです。
Contents
ウメハラという本当にすごい存在

まず『獣道』を語る前に、格闘ゲームをやっていない人たちに伝えたいウメハラという絶対の存在について。
できるだけ短くまとめるために、ウメハラの成し遂げてきたことをいくつか簡単に箇条書きでまとめます。
- 中学生の時には格闘ゲーム全国トップレベル
- 17才で世界一の称号獲得
- プロになる以前でも、一年で大晦日と正月以外(つまり363日)はゲームセンターで格ゲー
- 日本人初のプロ格闘ゲームプレイヤー
- ギネス世界記録に3つ認定
- 人生哲学を語った著書はゲーマーのみならず、ビジネス界隈で絶賛されAmazon新書部門1位を記録
- 世界で唯一、一人で合計5つの企業と契約しているプロ格闘ゲーマー(Red Bull, HyperX, Twitch, Cygames, NSURGO)
海外ではその圧倒的強さから
“Daigo the beast”
と呼ばれて、業界一の知名度と人気を誇ります。
格闘ゲーム業界、いや、ゲーム業界・eスポーツ業界を語るには、ウメハラは欠かせない絶対の存在なんです。
獣道はどんな企画だったか
ウメハラをも唸らせる格ゲーマー同士のガチンコ対決
ウメハラのゲーム配信チャンネル『Daigo the beasTV』の企画としてスタートした『獣道』。
あのウメハラをして「見たい」と言わしめた格ゲープレイヤーとそれに対する挑戦者が格闘ゲームを通して自身の積み上げてきたキャリアと己のプライドを賭けて格闘ゲームで決闘するという企画です。
- スーパーストリートファイターⅡX(スパ2X)
- ギルティギア イグザード Rev.2(GGXrdR2)
- ストリートファイターⅢ 3rd Strike(3rd)
の3つのタイトルで対戦が行われました。

格闘ゲームの中ではメジャーなタイトルなのですが、実はこの3つの格闘ゲームを私はちゃんとプレイしたことはありません。
それでも見たいと思ったのはまず第一に
「あのウメハラがすげぇって言うんなら見たい」
と思ったからに他なりません。
「どちらが強いかハッキリさせる」ルール

10本先取ルール
普段のeスポーツの大会ではトーナメントで2〜3試合先取で勝敗を決します。
しかし少ない試合数では運要素も絡みやすいため、10本先取という長期戦形式で勝敗を競いました。
格ゲー界隈ではこれを「10先(じゅっさき)」と呼んで定着しています。
「格付けマッチといえば10先」と言うのは格ゲーマーの間では常識。
実は10先という試合形式を初めて提案したのはウメハラなんです。
格ゲー業界にもたらす影響力の大きさがここでもうかがい知れます。
試合当日までに一人の相手に絞った対策を準備
トーナメントではなくただ一人相手の対戦なので、いろんなキャラクターへの対策を準備するのではなく、たった1つの組み合わせを詰めるという形式です。
まさにガチンコ、明確な格付けマッチ。
獣道では賞金獲得を競っていませんが、この勝敗の持つ意味はeスポーツの賞金がかかった大会よりも下手すると比べ物にならないくらい大きいものです。
『獣道』が素晴らしい企画である理由

何がすごくて面白いのかをしっかり伝えた
ウメハラは長らく格闘ゲームの業界の第一線で活躍してきていると同時に、私が思う格闘ゲーム業界最高の語り部なんです。
- このゲームがどう面白いのか
- このプレイヤーはどうすごいのか
- 格ゲー業界の歴史はどうなっているのか
自らの経験から考え出したことを語るだけでなく、時には周りの格ゲー業界のいろんな人から話を引き出して、業界全体を盛り上げてくれる語り部です。
ウメハラ自身が『獣道』の企画の意図をこう語っていました。
「2日間くらいまともに食事をしないで、トマトを食べた時に今まで食べたどんな物よりも美味しく感じた。トマトは変わってないのにこっちの状態で味が変わる。」
「どこが美味しいのか、何が美味しいのかきちんと説明して、元々持っている料理の味を分かってもらうことで、今まで何となく見てきた同じ試合でもどう感じるのか?という実験。」
普段何気なく見ている試合がいかに美味しいものであるかを観る人に分かってもらいたいという意図があったそうです。
対戦者だけでなく周りのプレイヤーの面白さも引き出していた
決戦当日までに、トマトの美味さを伝えるべくPVをいくつも出していました。
そこに出てくる格ゲーマーたちの話が面白いんです。高クオリティのPVです。
彼らが普通の配信で語ったら、ただの身内のゲーム話になってしまいがちなのですが、『獣道』というフィルターを通すことによって、その面白さが身内でなくてもわかりやすく伝わりました。
主催であるウメハラやその関係者の努力が見えました。
獣道から学ぶべきだと私が考えたこと

面白い部分を見落としていることって結構ある
私は『獣道』を見て、最高のプレイヤーたちの最高の対戦を純粋に楽しんだと同時に、こう思いました。
「トマトの本当の美味しさを知らないものは他にもたくさんあるんじゃないだろうか?」
私の好きなエレクトーンでもそうです。
感動できる演奏だって、なぜこんなにも感情に訴えかける演奏になり得たのか?
その演奏者の背景が見えたらもっと美味しく感じるかも知れない。
その曲を作曲・編曲した人のことがわかれば、もっと味わい深くなるかもしれない。
もちろん演奏を聞く側がしっかり調べて楽しむということも必要かもしれませんが、演奏を届ける側の努力も必要なんだと思います。
業界影響力トップの力を借りるということ
普段やらない格闘ゲームでの対戦でも私が見たのは、ウメハラの影響力が原因です。
ウメハラ以外の誰かなら見ていなかったかもしれませんね。
例1)ボクシングの内藤大助
ボクシング元世界王者の内藤大助。
彼がテレビに度々出るようになったのは、亀田大毅との王座防衛戦がキッカケです。
世間を騒がせていた亀田三兄弟の反則行為が無ければ、こうはなっていなかったかもしれませんね。
例2)小説の羽田圭介
芥川賞受賞作家の羽田圭介。
これだけではピンと来ない方もいるかもしれませんが、ピース又吉と同時に芥川賞を受賞した作家といえば思い出す方もいるんじゃないでしょうか。
「又吉じゃない方」として注目を集め、メディアへの出演が増えていました。
芸人として第一線にいたピース又吉という、畑違いの人の影響力ですが。
私も『獣道』のような企画を出せるようになりたい

今現在、エレクトーン業界での私の影響力は微々たるものです。
最初は自分にできる範囲のこと(このブログを日々しっかりと更新することですね!)しかできませんが、徐々に影響力を持つ人の力を借りるようにして、自分が知ってもらいたいエレクトーン奏者や楽曲の良さをこちら側の努力で伝えられるようになりたいなと考えています。
今現在エレクトーン業界第一線で活動されている方も同じ思いを持っておられたら、その人が思うすごい人、すごい曲などを伝える取り組みに是非関わってもらえたらなあと思います。